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分析手法は必要ない

 

私はSWOT分析やパーセプション分析といった分析手法が好きではありません。参考にはしますが、あくまでも参考程度です。メインは自分の肌感覚を重要視しています。

 

「なぜ、医師は数多くある同疾患医薬品の中でその医薬品を処方しているのか」

 

この1点だけを本気で考えれば良いだけです。

 

菓子パンを例にとって考えてみましょう。コンビニやスーパーの菓子パン売り場に行けば、数多くの菓子パンが並べられています。選択肢がたくさんある中「なぜ、あなたはその菓子パンを選ぶのでしょうか」。賞味期限が近くなって安くなっていたからですか。たまたまチョコレート入りの菓子パンが食べたかったからですか。ずっとお気に入りの菓子パンだからですか。

 

自分に当てはめて考えてみると分かる通り、その時々の感情によって食べたい種類のパンが違ってくるのです。気分によっては、すごく甘い菓子パンを食べたいときもあるでしょうし、シンプルにコッペパンのような菓子パンを食べたいときもあるでしょう。分析手法の型にはめて「20代男性で子持ちだったらこの菓子パン」のような分析は全く当てにならないのです。

 

医師も同様です。例えば、おじいちゃんで新しい医薬品を使いたがらない医師がいたとします。自社医薬品は、副作用も少なく効果も強いことがエビデンス上証明されています。しかし、おじいちゃん先生は、昔からある効果は強いが副作用多い他社医薬品を使っています。しかも、自社医薬品と他社医薬品は非劣性試験を実施し、効果は同等であることが示されています。

 

明らかに自社医薬品の方が有利なはずです。それなのに「なぜ、おじいちゃん先生は他社医薬品を選んでいる」のでしょうか。SWOT分析のように強みと弱み等々を考えてPRしてみてください。ヒット率はかなり低いと思います。

 

では「なぜ、おじいちゃん先生は他社医薬品を選んでいるか」について考えてみます。ただ使い慣れているという理由だけで、他社医薬品を使っているだけかもしれません。年下のMRから「教えられる」ような話をされることがプライド的に気に入らないということもあり得ます。ただ他社医薬品を宣伝しているMRが強いだけということはないでしょうか。門前薬局との関係で次々と新薬を採用できないという理由も考えられます。

 

このように他社医薬品を使い続ける理由は様々です。これを理解していないのに、分析手法に当てはめて「おじいちゃん先生はAタイプだから、こうやって責めてみよう」という分析は全くもって無駄なのです。重要なことはただ一つ。「なぜ、おじいちゃん先生はその医薬品を使い続けているのか」という理由を真剣に考えるということだけです。

 

それが分かりさえすればPRもしやすくなります。ただ使い慣れているという理由だけであれば、まず少しでも使ってもらう為にはどうすれば良いのかを考えれば良いのです。「教えられる」ことが嫌いであれば「教えてもらう」面談を意識し、聞き役に徹して自尊心を満たしてあげると処方に近づくでしょう。他社医薬品を宣伝しているMRが強いのであれば、そのMRの気に入っているところを聞けばヒントが見つかります。

 

このような答えは分析手法では出てきません。日々、医師と面談を重ねて性格等々を理解しながら考えている肌感覚のマーケティングこそが一番重要なのです。

 

しかし、これには欠点があります。それは、自分自身が商品を買うときに「なぜ、この商品を選んだのか」という肌感覚を学ぶトレーニングを積み重ねないといけないという点です。

 

自分自身の肌感覚マーケティングが出来ていないのに、医師の肌感覚マーケティングは成り立ちません。まずは、自分自身に「なぜ、そのランチを選んだのか」とか「なぜ、この店でコーヒーを買ったのか」等々を問いかけてみてください。それが一番ヒット率の高い分析手法の練習となります。

 

実は、そのおじいちゃん先生も自社医薬品を100%使いたくないわけではありません。10%でも20%でも使っても良いというモチベーションがどこかにあります。

 

例えば、あなたも「不毛だな」と思いながら参加する会議もあるでしょう。本当に100%参加する気がなければ、無理やりアポイントをねじ込んだり、嘘をついたりして絶対参加しないはずです。しかし実際は参加しています。

 

「なぜ、不毛だなと思いながら会議に参加しているのですか」10%でも20%でも参加しても良いと思っているから参加しているのです。それが「とりあえず座っておけば上司から文句も言われないから」とか「後で怒られるよりはましだから」というネガティブな理由であっても、それが10%や20%の参加しても良いと思えるあなたのモチベーションなのです。

 

おじいちゃん先生の10%や20%の処方モチベーションはどこにありますか。「狭い範囲でも良いですし、しょうがないなという理由でも良いです。どこか使っても良いかなと思っていただけるところはないでしょうか」と私は本人に直接聞くようにしています。

 

すると「ん〜じゃあこういう患者さんが来たら使ってみるよ」という言葉が意外と聞ける時があります。蛇足でしたが、一度試してみては如何でしょうか。

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