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医師が求めている「価値」とは

 

「医師はなぜ自社医薬品ではなく、他社医薬品を処方するのだろうか」と本気で考えたことがあるでしょうか。医師に理由をお伺いすると「他社医薬品の方が効果があるから」とか「他社医薬品の方が使い慣れているから」等々の答えが返ってきますが、本当にそうでしょうか。仮に「他社医薬品の方が効果があるから」という理由であれば、他社医薬品と効果は同等であるというエビデンスを提示すれば少なからず処方の手は動くはずです。それでも処方の手が動かない医師がいるのはなぜでしょうか。

 

違うケースで考えてみます。例えば携帯電話です。あなたが今持っている機種と比べて、さほどスペックが変わらない安い機種は探せばあります。今のあなたの携帯料金等のサービスと比べても、内容はほとんど変わらない安いサービスも存在します。

 

いくら今の状態を良くするサービスや商品があっても変更していないものは、あなたの周りにいくらでもあるはずです。なぜ、あなたは今の状態より良くなるサービスや商品があっても変更しようと思わないのでしょうか。それは「あなたが今使っているサービスや商品に感じている価値よりも、代替品のサービスや価値が上回らないから」です。

 

逆に言えば、あなたがサービスや商品に感じる価値が高ければ高いほど、そのサービスや商品の値段が
どんなに高くてもあなたは購入するという事です。

 

鞄を例に取ってみます。以前大好きな彼女とデートに行った時「今こんな形の鞄が欲しい」と言っていたことをあなたは覚えていました。彼女の誕生日プレゼントとして、その形の鞄をプレゼントしようと思っています。探してみると色も形も全く一緒の鞄が2つありました。片方は無名のブランドで値段は4千円です。もう片方は誰もが知っているブランドで値段は2万円です。あなたはどちらを選びますか。2万円の鞄を選ぶという方が多いと思います。

 

なぜ色も形も全く一緒なのに高い鞄を選んだのでしょうか。「彼女の喜んでいる笑顔を見たいから」とか「高いものを買ってあげる、かっこいい自分を見せたいから」とか理由は様々だと思いますが、それこそあなたが感じている2万円の鞄に対する「価値」なのです。

 

「彼女が喜んでいる笑顔を見ることができた」「かっこいい自分を見せることができた」という「価値」を得ることができる鞄は、4千円の鞄ではなく2万円の鞄だとあなたは判断したのです。だから色も形も一緒であるにも関わらず、わざわざ高い鞄を選んだのです。

 

医師も同様です。他社医薬品に感じている「価値」が自社医薬品よりも高いから、他社医薬品を処方しているのです。医師が感じている「価値」がエビデンスの量や質であれば、情報提供をすればするほど処方に結び付いていくでしょう。

 

しかし、そうではない医師もたくさんいます。エビデンス等々の情報提供で全く動かなければ、他社医薬品に感じている「価値」は、エビデンス以外にあると察知しなければなりません。これは本社が行っている分析では導き出せないものです。あなたが医師と直接接して、肌で感じ取らなければ分からないものです。

 

例えば、他社医薬品を多く処方している医師に、その理由をお伺いしてみると「良く効いた症例を経験したから」と答えたとします。ならば、その医師が感じている他社医薬品の「価値」は、単純に「患者さんが良くなること」かもしれません。再度その医師に「他社医薬品を処方して良く効いた症例とはどのような症例でしょうか」と確認してみることで、何かヒントを得られるかもしれません。

 

ヒントを得られたと仮定しても、他社医薬品と同等の可能性を示すだけでは物足りません。他社医薬品を超える「価値」を更に提示する必要があります。それは自社医薬品の方が他社医薬品に比べて副作用が少ないことかもしれません。ボールペン等の販促品を持ってきてくれることかもしれませんし、全国講演会に連れていくことかもしれません。他社医薬品を超える「価値」とは、医薬品間の比較だけとは限りません。MR間のサービスや人間性、様々なものが「価値」にあたります。それを見極めることができるかどうかが重要になります。

 

医師が他社医薬品に感じている「価値」をまず理解することから全てが始まります。「薬価が高いから」とか「在庫を抱えたくないから」等々の医師が言う自社医薬品を処方したくない理由は、ただ逃げているだけです。鞄の例のように、本当に自分が価値を見いだせるものであれば、薬価が高くても購入します。その「価値」を見いだせていないから処方したくない言い訳が出てくるのです。

 

医師は他社・自社医薬品の何に対して「価値」を感じているのか。それが営業マーケティングの基本です。

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