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選択肢が多いと人は行動しない

 

選択肢が多いと、人はなぜか行動しなくなります。コロンビア大学でビジネススクールの教授(※2015年現在)をされているシーナ・アイエンガー教授の調査が有名ですのでご紹介します。

 

人はどのように「選択」するのかを調査するため、スーパーマーケットで24種類と6種類のジャムの試食会を行ないました。その中で購入まで至った人数の割合は6種類で30%24種類ではたったの3%という結果でした。つまり、人は選択肢が多いと買わない(行動しない)ことを選択するということになります。

 

これをMRの仕事に照らし合わせて考えてみます。自社医薬品の他にも、競合品として他社医薬品があると思います。1〜2剤なら良いのですが、それが5剤以上になってくると「効果はどれも一緒でしょ。だから自社医薬品を処方しなくても別に良いじゃないか」という考えの医師が出てきます。

 

つまり、自社医薬品がもっている効能効果を有している競合品が多ければ多いほど、医師は行動しにくくなる(新規採用しない、処方しない)という状況になりやすいということです。

 

しかし、医薬品の場合、MRと医師との人間関係や作用機序の違い等々、いろいろな要素が絡んでいますので、全く採用・処方しないというケースは少ないと思います。

 

問題なのは、世界・日本初の効能効果を取得したものは別として、医師にとって、競合品を含めると一つの疾患を治療するにしても数多くの選択肢があるということです。

 

薬剤の選択肢として、古い医薬品も含めると7〜10剤ぐらいあるケースが多いのではないでしょうか。そこで製薬企業は、副作用の少なさや作用機序の違い等をPRして差別化を行おうとします。その時に重要なのは、そのまま会社から提示された差別化ポイントを紹介するのではなく、自分で自社医薬品の情報を整理し、「ここが最大のPRポイントですので、ここからまず処方してください」と独自の情報提供を行うことです。

 

会社から「こういう患者さんに処方してもらいましょう」という施策のようなものは出ていると思います。しかし、それは「高齢者や女性の患者さん」とぼやかした言い方をするケースが多いのではないでしょうか。

 

冒頭で述べましたが、人は選択肢が多いと行動しなくなります。「高齢者や女性の患者さん」と一言で言っても、年齢や家族環境、合併症の有無等々あり、どのような高齢者や女性の患者さんかイメージできません。イメージできないため、医師は自社医薬品を処方する患者さんを絞ることができなくなります。患者さんを絞ることができないと選択肢が多くなってしまうため、医師は処方しないという結果になってしまいます。

 

そこで、漠然とした提案にならないように、まずは自分自身で自社医薬品の情報を整理する必要があります。そこから「自社医薬品はこういう特徴があるから、女性の中でもこういう症状が出ている患者さんに処方してもらったほうが良い」と選択肢をできる限り少なくして、医師に提案できるように準備しなければいけません。

 

もっと具体的に「自社医薬品は○○という特徴があるので、20代ぐらいの女性で△△という症状を訴えられている患者さんに処方してください」とPRすれば、医師もイメージしやすくなります。その結果、漠然と「女性の患者さんに…」とPRするよりもヒット率が上昇します。

 

しかし「20代ぐらいの女性で…」という選択肢は、あくまでもこちら側の妄想に過ぎません。妄想をそのまま宣伝しても「そんな患者さんはいないから…」と断られてしまう可能性があります。

 

そうならない為に、医師の持ち患者数や持ち患者さんの背景(Ex.女性が多い、高齢者が多い等)を理解しておく必要があります。理解した上で、対象患者さんが多い範囲を選び「自社医薬品は○○という特徴があるので…」とPRすると「そういえば、そういう患者さんいるかな…」となってもらいやすくなります。

 

人は選択肢が多いと行動しなくなります。漠然と「Aの疾患の患者さんに処方してください」と依頼すると、選択肢の幅が広すぎて処方されにくくなります。そうではなく「Aの疾患を患っている女性患者さんで、○○という症状をお持ちの患者さんに処方してください」と依頼すると、選択肢の幅が狭くなるので処方しやすくなります。

 

後は医師の処方ポリシーや、持ち患者数や持ち患者さんの背景等を理解して、それに沿うような提案をすると更に受け入れられやすくなります。医師の情報の有無により提案内容はガラリと変わってきます。情報を集めれば選択肢を絞ることにも役立ちますので、情報収集も併せて行っていってください。

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