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「正当化」や「マンネリ化」は目標達成に対する大きな敵

(認知的不協和)

 

あなたは、イソップ物語の「すっぱい葡萄」という物語をご存知でしょうか。簡単に内容をご紹介します。

 

1匹のキツネが森の中を歩いていました。ふと見上げると、高い木の枝においしそうな葡萄が実っているのを見つけました。キツネはその葡萄を取ろうと一生懸命ジャンプしますが届きません。とうとうキツネは疲れ果てて「あの葡萄はすっぱいに決まっている。だから食べたくもないやい!」と捨て台詞を残して去って行ったというお話です。

 

この「すっぱい葡萄」の物語は、フロイトが提唱している「合理化(自我防衛機制の一種)」の具体例として挙げられることがあります。また「合理化」と似た心理学的用語で「認知的不協和」というものがあります。認知的不協和の具体例としても良くこの物語が使われます。この記事では「認知的不協和」について、詳しく見ていきたいと思います。

 

認知的不協和による「正当化」が行動する気力を奪っている

 

認知的不協和は、アメリカの心理学者レオン・フェスティンガーによって提唱されたもので、一言で言うと「正当化」のことです。

 

例えば、あなたの担当施設の目標が高いものだったとします。あなたはそれでも目標を達成したいと思っています。その目標を達成するために説明会をしたり、講演会を企画したり、様々な仕掛けを行いました。それでも実績が伸びないと「この施設は何をやっても伸びないに決まっている」と行動しなくなったり「目標を達成できないのは仕方のないことだ」と考え方を変えたりしてしまいます。これが認知的不協和です。(図1)

 

「高い木の枝のおいしそうな葡萄=高い目標」であり、「葡萄を取ろうと一生懸命ジャンプをする=様々な仕掛けを行う」ことです。また「あの葡萄はすっぱいに決まっているという捨て台詞=何をやっても伸びないに決まっているという捨て台詞」となるので、認知的不協和の具体例にすっぱい葡萄の物語が使われるのです。

 

図1

 
図1では「目標を達成したい」という認知(以下、認知A)と、「様々な仕掛けをしても目標が達成できない」という認知(以下、認知B)の間にギャップが生じています。目標を達成したくても達成できないというストレスは、自分にとってかなりの負担です。よって、そのストレスを緩和するために「この施設は何をやっても伸びない=目標を達成できないのは仕方のないことだ」と考え方を「正当化」してしまうのです。(図2)

 

図2

 
認知Aを叶えたいのであれば、認知Bを「もっと時間を割いて更に仕掛けを行えば達成できる」(以下、認知C)と置き換えればよいのですが、人間はそう強くありません。認知Aと認知Bのギャップでもストレスを抱えているのに、認知Aと認知Cのギャップで更にストレスを抱えてしまうことが想像できます。(図3)

 

図3

 
よって、そのようなストレスをなくすために、認知Aを「目標は達成できない」(以下、認知D)に置き換えてしまうのです。そうすれば、認知Dと認知Bとの間にはギャップはなくなりますので、精神的に楽になるのです。(図4)

 

図4

 
つまり、人間は認知的不協和によるストレスを緩和するために、自分の考えを都合の良いように「正当化」してしまう傾向にあるのです。

 

「マンネリ化」していると思う時は、認知的不協和が原因の場合も…

 

マンネリ化のマンネリは、マンネリズム(mannerism)が語源となっています。マンネリズムとは、型にはまった技法や形式が惰性的に繰り返され、独創性や新鮮味がないことを指します。

 

つまり、マンネリ化とは、「月曜日にはこの施設を訪問して、火曜日の午後はこのクリニックに行って…」と型にはまった日常を過ごしており、かつ「この医師は話聞いてくれないし、あのクリニックは訪問出来ないし…」という先入観で凝り固まって作業が前に進んでいない状態のことです。

 

マンネリ化により先入観で凝り固まった日常や作業で全く前に進んでいない状態のことを、言い換えると「新しく行動することを諦めた状態」と言えます。なぜ新しく行動することを諦めてしまうのでしょうか。それは新しく行動しても良い結果が得られないと思い込んでしまっているからです。

 

つまり「頑張って行動しても良い結果が得られないのであれば、頑張って行動しない方がストレスも少なくて良い」と結論付けてしまっているのです。

 

これは、図4の「目標は達成できる」(認知A)を「目標は達成できない」(認知D)に置き換えてしまっている事象に類似しています。すなわち、マンネリ化は認知的不協和により引き起こされている場合があるのです。

 

マンネリ化をなくせば、認知的不協和は改善される

 

「マンネリ化」は認知的不協和が関係しています。ならば、単純にマンネリ化をなくせば、認知的不協和も改善されるはずです。その具体例をすでにあなたは経験しています。それは「担当交代」です。

 

あなたは「この施設は何をやっても実績は伸びない…」と思っていても、後任者が実績を伸ばして驚いた経験はないでしょうか。逆に前任者から「この施設は難しい」と言われて引き継いだが、あなたが作業すると思いのほか簡単に伸びたという経験はありませんか。直接そのような経験がなくても、課内で担当交代したら急に伸び始めたという施設を見たことがあるでしょう。

 

これは、後任者が前任者と違う行動をしているからです。同じ行動(説明会やディテール)をしているにしても、人が違えば受け手(医師やコメディカル)も違う印象を受けます。後任者も「この施設を伸ばす為にはどうしたら良いのだろう」と考えて行動するので、前任者がやったことのない仕掛けも実施するようになります。

 

つまり、担当交代は前任者の「この施設は何をやっても伸びない…」(認知D)というマンネリ化している考えを、「この施設はこうしたら伸びる!」(認知E)という新鮮な考えに置き換えることができるのです。(図5)

 

図5

 

 

新鮮な考えに置き換えることが出来れば、目標を達成する可能性も出てきます。ということは、図5の「目標を達成できる(認知A)」という考えと「この施設はこうしたら伸びる!(認知E)」のギャップは少なります。ギャップが少なくなるということは、認知的不協和が改善されていることに繋がるのです。

担当交代と似たような状況を作り出すことがカギ

 

あなたは認知的不協和に惑わされていませんか。「マンネリ化してきたな…」と感じていませんか。もしそうであれば、「担当交代」というマインドを取り入れてみてください。

 

例えば、他の人に「こういう施設だけど、あなただったらどうする?」と意見を聞いてみてください。その意見に対して、あなたは「それは意味ないのでは…」と思われるかもしれません。しかし、それは認知的不協和が邪魔しているだけです。何も考えずにやってみてください。

 

また、担当交代したようにあなた自身が変わることも効果があります。外見や話し方もそうですし、私の場合は心理学等々のスキルを学んで自分自身を成長させることで、自分自身を変えました。自分自身を変えることで、担当交代のような状況を生み出し、良い結果に結び付いた事例を短くご紹介します。

 

私は、自社医薬品の口座を作れず引き継いだクリニックがありました。3年程経って、自社医薬品の口座がないまま再度このクリニックを担当した時、2ヵ月程で口座を作ることが出来ました。「あの時の苦労って一体なんだったんだろう…」と思ったことをよく覚えています。

 

つまり、自分が変わる・他人の意見を取り入れる、自分ではなく他の人に仕掛けてもらう等々、担当交代に似たような状況を作り出せば、認知的不協和やマンネリ化を改善できる可能性が十分あるということです。諦めずに行動し続けることが重要です。とりあえずやってみることを意識してみてください。

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