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手が出しやすい要求を通して、更に高い要求をする

(ローボールテクニック)

 

あらかじめ申しておきますが、私はこの方法をお薦めしません。それにも関わらず、なぜ記事にしているかと言いますと、この理論を理解し、似たような状況を前もって回避して欲しいからです。

 

さて、本題に入ります。ローボールテクニックとは、最初に相手が手を出しやすい条件を提示し、受け入れてもらった後に、さらに高い要求を通していくというものです

 

これは一貫性の法則を応用したものです。人間は一度決めたことはやり通そうとする心理が働きます。よって、手を出しやすい条件を受け入れて購入を決定した後は、さらに高い要求をしても商品の購入を中止する確率が減少するのです。

 

例えば、レストランの前の「国産牛ステーキランチ980円!」という大きな看板に惹かれてレストランに入ったとします。いざ頼もうと思ったら980円はステーキ単体だけの値段で、しかも量は100gです。100gでは足りないので150gに増量しようとすると500円アップで、ご飯セットをつけるとさらに300円アップになります。皆さんはそれを理解した後に、お店を出ようとするでしょうか。出ないという方が多いと思います。

 

しかも、せっかくステーキを食べたいと思ってレストランに入ったのですから、100gでも良いのでステーキを食べようと思うのではないでしょうか。それどころか、どうせなら満足いくように150gに増量して、ご飯セットもつけてしまえと思う方もいらっしゃるでしょう。

 

国産牛ステーキが980円という手が出しやすい条件を提示することで、レストランの入店を促進します。一度入店してしまえば、その後にお肉の増量等のオプションでお金がかかると理解しても「せっかくだから…」と高い条件を承諾する確率が上昇します。これがローボールテクニックです。

 

私がお薦めしない理由がご理解頂けたでしょうか。このようなことをしては信頼度ガタ落ちです。1回のみの取引であれば、この方法は活用できるかもしれません。しかし、MRは担当施設を変わらない限り同じ医師と面談し続けますし、担当を変わったとしても後の担当者が苦労します。この方法で実績をのばしたとしても頭打ちになりますし、私は何も嬉しくありません。人間的にレベルが低いと思ってしまうからです。

 

冒頭で述べたのうに、このような心理学的方法があることを理解してください。そうすれば、似たような状況になりそうになった時に対処できるようになります。

 

例えば、同じ自社医薬品でも薬価の違う剤形を処方頂いた時に、こちらが意図していなくてもローボールテクニックが働いてしまうことがあります。

 

錠剤と内用液の剤形がある自社医薬品があるとします。内用液の採用が決定したとき、薬価は錠剤よりも高いということを伝え忘れていたとします。するとどうなるでしょうか。

 

医師:「君に言われて内用液を使ってみたけど、錠剤より薬価が高いじゃないか!そんなこと聞いてないぞ!患者さんに文句を言われたよ!」

 

と怒られてしまう可能性も十分あります。

 

この例では、錠剤よりも内用液の薬価の方が高いというデメリットを伝えていませんでした。ステーキの例と比べると、980円のステーキランチにはご飯が付いていない、100gの少ない量であるというデメリットを伝えていなかったことと同様です。

 

MRは全くその気がなかったとしても、医師からするとそれは関係ありません。医師は「売りつけられた」と思ってしまいます。ステーキの例と一緒で、最悪の場合「騙された」と思う医師もいます。

 

医師がMRに本音で「錠剤よりも高いじゃないか!」と苦情を言ってくれる場合はかなりましなほうです。言ってくれない医師だと、急に話をしてくれなくなったり、処方が激減したりすることだってあり得ます。

 

是非このような状況にならないように、ローボールテクニックという理論を理解して欲しいと思います。そして、似たような状況を作らないように気をつけてください。このような手法を使わず、デメリットを伝えた上でも採用してもらえるMRが、本当の意味で「仕事の出来るMR」です。

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