コピーライティングで重要な3つのこと
あなたは自社医薬品を処方している医師や、処方されている患者さんの気持ちをどれだけ理解しているでしょうか。私は正直あまり分かっていません。
私は、医師のように自社医薬品の適応となる疾患の患者さんを多く診察し、薬を処方し、その後の患者さんの経過をフォローした経験がありません。また、実際に自社医薬品の適応となる疾患を患ったことがありませんので、その苦しみや痛みを理解することができません。そんな私が医師や患者さんの気持ちを理解できるはずがないのです。MRは医師からの処方経験や患者さんの様子をお伺いしただけで、気持ちが分かった気になっているだけです。
そのMRが「自社医薬品の有効性は他社医薬品よりも高いです」とか「○○のような患者さんに処方してみてください」と紹介しています。MRはいろいろな医師の話を総評して話をしているので、強ち間違っていないのかもしれません。しかし、上記のような経験がないMRが自信満々に言えることではないのです。
それを鑑みると、私を含め大半のMRがなんて無責任な営業をしているのかが理解できます。MRの特性上しょうがないことなのかもしれません。しかし、これでは本当の意味で、医師や患者さんのお役に立っているとは言えません。
では、どうしたら本当に意味で医師や患者さんのお役に立てるのでしょうか。そのヒントはコピーライティングを考える上で重要視されている理論に隠されています。
その理論として大まかに3つ挙げられます。
- 相手の心理を的確に読み取る
- 相手の心理に合わせたメッセージを的確に選び出す
- 2を的確に伝える
この3つの理論は、商品を売るためのコピーを考えるときに活用されています。MRは関係ないと思われるかもしれませんが、表現をほんの少し変えてみます。
- 医師の心理を的確に読み取る
- 医師の心理に合わせたメッセージ(エビデンス等)を的確に選び出す
- 2を的確に伝える
いかがでしょうか。医師が自社医薬品や他社医薬品の適応疾患分野において、どのような情報を必要としているのかが理解できれば、それに合わせたエビデンス等の情報を選び出すことができます。選び出した情報をうまく伝えることが出来れば、処方に結びつくことは明白です。
「そんなことはすでに分かっている!」という声が聞こえてきそうです。では、本当に上記の1が出来ていますか。冒頭で申し上げたように、MRが考えている医師の心理というものは妄想に過ぎません。実際に自社医薬品や他社医薬品を患者さんに処方して、その効果や副作用等の感覚が分かっていないMRが「自社医薬品は他社医薬品よりもこういうところが良いところです!」とは言えないのです。
例えば、あなたは学生の時どんな部活をしていたでしょうか。私は中学生の時にバスケットボールをしていました。友達の中に、帰宅部ですがNBA(アメリカプロバスケットボールリーグ)のファンがいました。その友達が「アシストはこうやってやるんだ!」とか「シュートの基本はこうだから、こうやってシュートしないと!」と言っていました。私を含めたバスケ部のみんなは「バスケをやったこともないのに、良くそんな偉そうなことが言えるな」と唖然としていました。
MRも同様です。1は医師でもない私たちが到底理解できるものではないのです。1が分かっていないので、その後の2と3も的外れなものになってしまいます。その結果、MRの仕事は「押し売り」になっているのです。
では、1を理解するためにはどうしたら良いのでしょうか。私は正直に「○○先生にとって自社医薬品(または他社医薬品)を処方すると得られるメリットは何ですか」とか「○○先生にとって自社医薬品(または他社医薬品)に感じて頂いている魅力とはなんでしょうか」と聞いています。
「そんなことはいつも聞いている!」と思われることでしょう。しかし、それは医師の本音でしょうか。私の経験上、押し売りを繰り返しているMRや、自分の考えばかり主張しているMRに医師は本音を言いません。その時点で1が「できているつもり」になっているのです。
人間関係をしっかり構築した上で、正直な気持ちで「教えてください!」とぶつかってみてください。その真剣な気持ちが伝われば、医師も正直に「なぜ他社医薬品を処方するのか」とか「自社医薬品を多く処方するためにはどのような情報が必要か」等を話してくれます。これで1が理解できれば、2と3は医師と話をしながらスムーズに行うことができます。
そもそもコピーライティングは、全く面識のない人を動かす程の力を秘めたスキルです。このスキルを学べば、常に面談できる医師の処方率を格段にアップさせることができます。面談できない医師では手紙等々で活かすことができます。
実際に、私も医師と正直な気持ちを出し合い「どうしたら自社医薬品を使いこなせるか」と一緒になって作業できるようになった経験があります。また2年以上担当して1回しか会っていないクリニックでも、手紙だけで倍以上実績をのばしトップシェアになったこともあります。
コピーライティングだけが影響していることではないですが、このようなスキルで少しずつヒット率を積み上げているからこそ、成果が上がりやすくなるのだと思います。
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